統計は冬春と夏秋で分かれる
きゅうりの生産統計は、出回り期によって冬春きゅうり(12〜6月)と夏秋きゅうり(7〜11月)に区分される。同じ「きゅうり」でも、産地・作型・価格の動きはこの二区分で別々に読む必要がある。
- 農畜産業振興機構 月報野菜情報「今月の野菜 きゅうり」公開情報の最終確認 2026.08.01
COMMON CROP / CUCUMBER
平安期の黒いぼ、幕末の白いぼ。二度の伝来が今の姿をつくった
01 / ARRIVAL
年代の確からしさは、遺跡の出土によるものと、文献に記されたものとで違います。どちらの根拠なのかを区別して記録します。
農畜産業振興機構の解説では、10世紀ごろ・平安時代には伝来したといわれる、と推定形で記される。最初に伝わったのは華南ルートの黒いぼ系品種で、江戸時代末期に華北ルートの白いぼ系が伝わって食用として定着した。全国で広く栽培されるようになったのは江戸時代末期から明治時代とされる。わずかにロシア経由で入ったきゅうりも確認されている、と同解説は記す。
02 / LINEAGE
日本のきゅうりは、華南型(黒いぼ)と華北型(白いぼ)という性質の異なる二つの品種群が時期をずらして入り、その交雑・交配から各地の在来品種が成立したと見られている。現在は白いぼ系が栽培品種の大半を占め、さらに表面の白い粉(ブルーム)を生じないブルームレスが主流となった。
原産地から沿海路を経て華南・華中に土着成立した品種群。日本に最初に伝わった系統とされ、主に春きゅうりとして知られる。
平安時代中ごろ 伝来
この先 各地の在来きゅうり(毛馬胡瓜・加賀太きゅうり・会津余蒔胡瓜など) へ合流する
シルクロードを経て華北地方に伝来・定着した品種群。いぼが白く、夏きゅうりとして知られる。現在の栽培品種の大半がこの系統。
江戸時代末期 伝来
親黒いぼ系(華南型) × 白いぼ系(華北型)
日本の多くの在来きゅうりは、華南型・華北型両者の交雑・交配によって成立したと見られている。大阪の毛馬胡瓜、石川の加賀太きゅうり、福島の会津余蒔胡瓜、青森の糠塚きゅうり、山形の勘次郎胡瓜など、太さ・色・いぼの形質が地域ごとに大きく異なる。
近世〜近代
親白いぼ系(華北型)
白いぼきゅうりは外観からブルームきゅうりとブルームレスきゅうりに分けられる。日持ちがよく表面に光沢が出ること、白い粉が農薬と誤解されることから、量販店対応を重視した1985年ごろを境にブルームレスが主流となった。
1985年ごろから普及
03 / NOTES
統計上の定義や用途の区分など、数字を読むときに前提になる事柄を残します。
きゅうりの生産統計は、出回り期によって冬春きゅうり(12〜6月)と夏秋きゅうり(7〜11月)に区分される。同じ「きゅうり」でも、産地・作型・価格の動きはこの二区分で別々に読む必要がある。
1960年代後半、黒いぼ系と白いぼ系のどちらを主流とするかをめぐる転換が起き、後に「きゅうりの白黒戦争」と呼ばれた。結果として白いぼ系が市場を占め、各地の黒いぼ系在来品種は縮小した。
04 / EXPLORE
この作物の収穫量の推移は統計の索引に、土地に根ざした品種は在来の台帳にあります。