青首への転換は栽培と流通の都合で起きた
青首だいこんが全国に広がった理由として、早太りで、す入りが遅く、病気に強く、畑から引き抜きやすいという性質が挙げられている。味の面でも辛さが少なく甘くみずみずしいとされ、生産側と消費側の双方の条件が重なった転換だった。
- 農畜産業振興機構(alic)月報野菜情報「だいこん」公開情報の最終確認 2026.08.01
COMMON CROP / DAIKON
古代から各地に根づいた在来大根が、昭和に青首一色へと塗り替えられた。
01 / ARRIVAL
年代の確からしさは、遺跡の出土によるものと、文献に記されたものとで違います。どちらの根拠なのかを区別して記録します。
農畜産業振興機構は、だいこんの原産地を地中海沿岸地域から中央アジアとし、4000年以上前の古代エジプトで既に栽培されていたと記している。日本へは8世紀ごろ中国南部から渡来したとされる。日本書紀には「於朋泥(おほね)」の表記でダイコンが現れると整理されており、和名としての古さがうかがえる。渡来後は各地の土壌・気候・食べ方に合わせて、形も大きさも異なる在来品種が数多く成立した。
02 / LINEAGE
各地の在来だいこんは、漬物用・煮物用・生食用といった使われ方と土地の条件に合わせて分化した。近代以降は、愛知の宮重だいこん系統から青首の品種改良が進み、早太りで、す入りが遅く、病気に強く、畑から引き抜きやすい青首種が全国に広まった。市場に流通するだいこんの標準はこの青首系に置き換わり、白首の在来品種は産地限定の存在になっている。
白首種で、地中深く伸びる長根。首が細く先も細まり、中ほどが膨らむ形をもち、主に漬物用として栽培されてきたと記される。
江戸期からの東京の在来
みずみずしく柔らかで生食に向く在来種。のちの青首だいこんは、この宮重だいこんの青首のものを品種改良したものとされる。
愛知の在来
この先 耐病総太り へ合流する
京都周辺で広く流通する丸型の在来種。きめが細かく柔らかで、生食にも煮物にも向くとされる。
京都の在来
鹿児島県の在来だいこんとして、練馬・三浦・宮重・聖護院・守口と並び代表的な地方品種に挙げられている。
鹿児島の在来
親宮重だいこん
宮重系の青首だいこんを改良した一代雑種(F1)。病気への抵抗力やす入りといった宮重だいこんの弱点を改良し、青首だいこんが市場の標準になる転換点になったと種苗会社の資料に記される。
1974年(昭和49年)
03 / NOTES
統計上の定義や用途の区分など、数字を読むときに前提になる事柄を残します。
青首だいこんが全国に広がった理由として、早太りで、す入りが遅く、病気に強く、畑から引き抜きやすいという性質が挙げられている。味の面でも辛さが少なく甘くみずみずしいとされ、生産側と消費側の双方の条件が重なった転換だった。
だいこんの在来品種は、漬物用・煮物用・生食用といった用途に合わせて根の形と質が分かれてきた。練馬だいこんは漬物用の長根、聖護院だいこんは煮物にも向く丸根というように、地域の食べ方が品種の姿に残っている。
04 / EXPLORE
この作物の収穫量の推移は統計の索引に、土地に根ざした品種は在来の台帳にあります。